メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/

石田歯科診療所です。

本日の配信テーマは『レーザーの威力』でお送り致します。

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レーザーというと怪獣映画やSF映画等でお馴染みという方もいらっしゃるかと思います。

理論的にはゴジラを倒すことが出来る代物です…う〜ん凄い!

ところが、レーザーの照射によってゴジラの傷を治してしまうことも出来る!・・・わけがわからん・・・。

レーザーには炭酸ガスレーザーのほかに、エルビウムヤグレーザー、ネオジウムヤグレーザー、半導体レーザーなどがありますが、
以下、当院で使用している炭酸ガスレーザーに限ったお話をします。

炭酸ガスレーザーを出力が高い状態で照射すると、レーザーは水と反応して、水分の多い組織を加熱し、炭化させたり、蒸発させたりします。

このときの表面温度は200℃位と言われています。

方法によりますが、歯肉に照射すると、瞬時にして0.5mm程度の深さまで歯肉を蒸発させることさえ可能です。

レーザーをメスのように使う場合には、このような照射法をとります。

いわゆるレーザーメスです。

さて、何も高出力でレーザーを照射しなければならないわけではありません。

出力を抑えてレーザーを照射すれば、ヒートショックタンパク質の恩恵を受けることが出来ます。

ヒートショックタンパク質というのは、身体に熱が加わったとき、その熱から身体を防御しようとして作られる特殊なタンパク質のことです。

このタンパク質は熱だけでなく、身体に対するあらゆるストレスにも対応し、傷ついた細胞を修復してくれる働きを持っています。

ヒートショックタンパク質は、組織の温度が42度くらいのときに増えてきます、高出力でレーザーを照射した場合には、
表面から7〜8mm程度の深部では42度程度の温度になります。

つまり、いわゆるレーザーをメスとして使った場合、切開した周囲は、ものすごい勢いで治癒が進んでいくことになります。

通常のメスで切開して、縫合を行った後、低出力で傷口にレーザー照射をすると、翌日に抜糸が可能なこともしばしばあります。

それくらい早く傷が治っていきます。

・・・ゴジラにレーザー攻撃をすると、高出力レーザーが当たった部位は蒸発します。

そして、その周辺では、ものすごい勢いで、その傷が治っていきます・・・(^^ゞ(^^ゞ(^^ゞ。

出力を抑えて照射するには、低出力に設定する方法もありますが、出力を上げてレーザー照射器を照射部から離して照射する方法もあります。

この場合には、広い範囲にレーザーが当たります。

すると、局所の血行が良くなり、組織の新陳代謝が良くなります。

更に、新しい血管が増えてきます。

新しい血管が増えてくるということは、組織の再生に利用することが可能だということです。

明海大学歯学部保存修復学講座の資料によれば、血流を良くしたりヒートショックプロテインを作用させるには、16J/㎠のエネルギー密度で1〜2秒ほどポイント照射、
これを、必要な範囲に対して行う、レーザーメスのような使い方をする場合には120J/㎠のエネルギー密度で照射、としています。

実際の照射方法には、連続照射だけではなく、細かくON/OFFを繰り返して照射する方法もあります。

が、要は、必要なエネルギーを与えてやれば、しかるべき作用が期待できるのだということでしょう。