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メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/

石田歯科診療所です。

本日の配信テーマは『舌癌』についてお送り致します。

10月12日放送の「たけしの健康エンターテイメント!みんなの家庭の医学」で舌癌が取り上げられました。

V字型の歯並びは舌癌を誘発しやすいそうです。

私が舌癌などの悪性腫瘍を扱っていたのは、大阪医科大学口腔外科学教室に在籍していた頃ですから、もう、20年以上昔の事です。

周南市に帰ってきてからは、一人だけ舌癌にお目にかかりました。

でも、癌に変化していく確率が高い(約10%)「白板症」という病気には数例お目にかかっています。

そもそも癌というのは、どのような病気なのでしょうか?

簡単に説明しましょう。

怪我をした時に、遺伝子は「怪我をしたから治せ!」という命令を下します。

そうすると、細胞分裂を開始します。

傷が治ったら「もう治ったから、細胞分裂は止め。」という命令を出します。

もし、傷が治っても遺伝子がストップをかけなかったら、細胞分裂は止まりません。

遺伝子の中で細胞分裂にストップをかける情報を持った部位に異常が生じた時には、細胞はどんどん分裂していきます。

そうすると、その部分の組織は盛り上がってきます。

盛り上がるだけなら、大したことはないのですが。

正常な組織というのは成熟した細胞によって成り立っています。

でも、遺伝子の異常を起こした細胞は異常に早いスピードで分裂します。

細胞分裂の速度が速い状態だと、次に分裂するまで充分成熟する時間がありません。

したがって成熟しないままの細胞が増えてきます。

盛り上がりの中央部の細胞は成熟していない細胞であり、血行不良により細胞が死にます。

これを専門用語では「壊死」と呼びます。

このような細胞は当然のことながら正常な機能を営む事はできません。

肝臓とか肺臓のような臓器に生じると、臓器の機能不全を起こしますから、生命を維持する事は困難になります。

舌癌の場合では、舌の機能不全が生じるからといって、直接に生命の危機に結びつくような事はありませんが、癌は転移します。

肺転移が最も頻繁に生じます。

怪我だけが癌の原因というわけではありません。

遺伝子に異常が起これば癌は発症します。

体の中では毎日、多くのがん細胞が生じては消失していってます。

癌はウイルス感染症だという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

ウイルスは遺伝子そのものですから、細胞内の遺伝子情報に影響する場合もあるでしょう。

歯がしょっちゅう舌を傷つけるような歯並び(=V字型の歯並び)だと、傷が出来ては治り、出来ては治り、を繰り返します。

そのうち遺伝子レベルでの変化が生じてくると考えられます。

歯並びが悪くっても死にゃーせん・・・・とは言い切れませんね。


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