メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/

石田歯科診療所です。

本日の配信テーマは『糖尿病と歯科』についてお送り致します。

糖尿病性網膜症のために失明される方は年間で約4000人、透析にいたる原因としては糖尿病性腎症が40%以上でトップです。

現在、糖尿病は内科の専門医だけでは指導が行き渡らず糖尿病療養指導士という資格を有したコメディカルスタッフが活躍するようになって来ました。

さて、その糖尿病療養指導士の資格試験に出題された問題です。

問1:歯周疾患について誤っているのはどれか。

1.辺縁性歯周炎が最も高頻度にみられる

2.唾液・歯肉液中のブドウ糖の上昇と唾液分泌量が増加する事によって、歯垢形成が促進される。

3.主な原因は歯垢中に存在する細菌である。

4.しっかりとした血糖の管理とブラッシングで口腔内を清潔に保ち、よい状態を維持する事が大切である。

5.薬物療法中や血糖値が高い患者で、どうしても抜歯が必要な時は、担当医に手術の可否を確認する。

*答えは3です。

問2:歯周炎の増悪因子はどれか。2つ選べ。

1.唾液分泌量の減少。

2.多核白血球の増加。

3.唾液・口腔内のブドウ糖の低下。

4.口腔内細菌によって産生された有機酸。

5.歯垢中の細菌

*答えは、1と5です。

さて、糖尿病と歯周病との関連性は我々が学生の頃には既に関連性が指摘されていました。

歯周病があると悪玉アディポサイトカインの一種であるTNFαなる物質が持続的に分泌されます。

この物質、インスリンの作用を阻害しますので、糖尿病に罹患していらっしゃる方にとって、歯周病は糖尿病を悪化させる原因になります。

それにしても、糖尿病の療養は厄介ですねー。

食事療法では必要なカロリーを計算して、それに準じた食事、運動療法では厚生労働省の運動指針を基準にして1週間に23エクササイズ以上の運動を行うように指導されます。

2型糖尿病の場合だと経口糖尿病薬でコントロールができなくなったらインスリンの自己注射。

1型糖尿病なら初めっからインスリンです。

網膜症が起こったら定期的に眼科で検査、必要が生じたら手術。

腎症が起こったらエネルギー摂取量、食塩の摂取量、タンパク質の摂取量、事細かに制限されます。で、透析にまで行っちゃいます。

フットケア(足のケア)も欠かせません。

火傷なんかしたら、最悪、壊疽を起こして足を切断・・・脅してるんじゃありませんよ、注意しているんです。

歯周病なんて糖尿病とカンケーないじゃん、などと思ったら大間違いですよ。

歯周病をコントロールすることで、血糖値の改善が認められることだってあります。

また、良く噛んで食べる事で食生活習慣が改善され、血糖値のコントロールに役立ちます。

そもそも、最初に示したように、糖尿病療養指導士の資格試験問題に歯周病に関する問題が出題されているのです。

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◆イベント情報◆

柳井の周東総合病院の糖尿病患者会での調理実習です。

特に会員でなくても参加できるみたいですよ。

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