メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/

石田歯科診療所です。

本日の配信テーマは『低栄養 その2』にてお送り致します。

PEMという言葉をご存知でしょうか。

Protein energy malnutrition の略で、その人に必要な量のタンパク質やエネルギーが摂取できていない低栄養状態をいいます。

ビタミンやミネラルなど各種の栄養素の不足も伴い、体重減少と免疫力の低下を招き、
感染症など多くの病気にかかりやすくなります。

さて、こういった栄養状態の指標のひとつに「血清アルブミン値」が用いられます。

栄養状態が良ければアルブミンは血液1g中に4〜5gほど含まれます。

この値が3.8g以下だと、何らかの病気や低栄養が疑われます。

さて、高齢になると血清アルブミン値は少しづつ低下します。

そして、この数値は「余命の量」と「寝たきりになるリスク」を予知する力を持っています。

血清アルブミン値が高い人ほど筋力の低下が抑えられ、長生き出来ることが分かっています。

血清アルブミン値が4.0以下だと低栄養予備軍=老化の進みやすい状態で、
4.1以上だと栄養状態は良好で老化の進みにくい状態と判断されたりします。

それなら、「アルブミンを摂取すればいいんだ!サプリはないかな〜?」という問題ではありません。

そんなことをしても数値は上がらないようですよ。

「しっかりと食べること」「いろいろ食べること」10食品軍を毎日食べ、活動的な生活を送る、
という両方を組み合わせて初めて血清アルブミン値も上昇します。

ここで抑えておきたいことは、低栄養状態は病気になるリスクが高くなるということであって、
どこかが痛むとかいった、わかりやすい症状が存在するわけではないということでしょうね。

多少の低栄養があったところで、日常生活を営むことは可能でしょう。

だから自分では気がつかないといったケースも見受けられるって事です。

もうひとつ、ちょっと専門領域に入りますが、血清アルブミン値は、低栄養は関係しますが、
低栄養のの指標の一つであって、それが全てというわけではありません。

病気に罹っている人の場合には、その病気自体が血清アルブミン値に影響します。

この点も誤解の無いようにしておきましょう。

「しっかりと・いろいろ食べる」事ができるようにするには、やっぱし、口腔内の環境が重要ですね。

少々適合が悪くなった入れ歯でも「モノを噛むことはできる」とばかりに入れ歯を調整したり、
新調することをサボっていては、このような状態に陥るリスクは高くなるばかりです。


▼石田歯科診療所