歯科業界の見本市で「咀嚼力をチェックするガム」というのを見つけてから、当院でも、このガムを使って咀嚼力を判定してみました。
このガムでの検査はあくまでも簡易検査であって、厳密な咀嚼力の判定にはなりません。

しかし、ある程度の目安としては使えるものと思います。
普通に食事をしているわけですから、自分ではちゃんと咀嚼しているつもりでも案外咀嚼できていない事を自覚する場合もあります。

殆どの方は十分な咀嚼力を維持されています。
ところが、十分に咀嚼ができない方々もお見受けします。
どんな状態なんでしょうか?
入れ歯だから?

まず、「歯が揃っていれば、十分に咀嚼はできる」と思い込まれている方が少なくはありません。
しかし、歯が十分揃っていても、十分な咀嚼ができないという方もいらっしゃいます。

1)歯並びが悪い方

2)歯の治療はしているけれども、実は、不安定な状態で、本来ならば再治療が必要な方

3)顎関節にトラブルを抱えている方


こういった方々は、左右でちゃんと噛まないで、どこか、噛むことができる部位でのみ、ささやかに噛んでます。
一方、総義歯になると咀嚼力は落ちるものですが、それでも結構な咀嚼力をお持ちの方もいらっしゃいます。
義歯に慣れて、使いこないしているのでしょう。
それに・・・食べることに対して強い執着心をお持ちなのか・・・。

咀嚼が不十分でも食事は摂れるわけですが、咀嚼力不足は高齢になったときに、嚥下能力に影響することになりかねません。