歯の修復処置;いわゆるかぶせ物とか、入れ歯とかを装着して、痛みでも起こってくれば来院されますが、痛みが起こらなければ、そのまま通院が途絶えたりします。

たとえ、たった一本の虫歯の詰め物のような、ちょっとした歯の治療であったとしても、ちゃんと問題なく機能しているかどうか、一週間後にはチェックしておきたいものです。


・いわゆるかぶせ物というやつ、これは人工的に咬み合わせの関係を作ったものであって、神様がお造りになったものではありません。
僅かではありますが、誤差というものは避けることはできません。
50ミクロン以内の誤差なら許容範囲です。
冠を被せる時に「高いですかぁ〜?」等と質問しますが、この誤差をカバーするのは患者さん自身の感覚だけです。
従って、ホントに正しく機能したいるかどうかは、時が経ってから確認しなければ、確認のしようはありません。


・これまでにもお伝えしたように、新たに入れ歯を作ってそれを使っていると、噛み合わせの関係が変化します。
入れ歯を装着した時点での上下の歯の噛み合わせの関係が変わっていきます。
これは、顎を動かす筋肉が若干鍛えられることによって起こる変化です。
従って、ある程度の期間が経過した時点で噛み合わせの関係を調整する必要が出てきます。


・歯周病のため、骨の吸収が生じた部位に骨補填剤を埋入して骨再生を図ったりします。
その場合、骨の変化を経時的に観察しておかねばなりません。
骨補填材は、一旦生体内に吸収された後、骨の再生が始まります。
骨が再生している途中で感染すると、その時点で正常な骨再生は期待できなくなりかねません。
何のために痛そうな思いをしてまで、骨補填材を埋め込んだのかわからなくなります。
骨補填材を入れたから勝手に骨は再生するのだ等と思っていたら大間違いです。
ちゃんとフォローアップしていかねばなりません。
(整形外科領域では、身体の中に埋め込まれ、完全に外界から遮断されるので感染のリスクは抜糸するまでの期間だけです。が、口の中は常に外界に曝されています。)


・インプラントは生体にとっては異物です。
必ず免疫反応が起こります。
こんなところに細菌感染が生じたら、インプラントと細菌と双方に対しての免疫反応が起こります。
いかにして過度の免疫反応を抑え、長期にわたって歯の代わりを勤めてもらうか、全てメンテナンスにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
埋めりゃぁいいってぇもんじゃあ、ありません。