この世に生を受けて半年で乳歯が生え始めます。
幼稚園なり保育園へ行って歯科検診を受けると虫歯が見つかったりする児も少なくありません。
6歳になると永久歯が生え始めます。
小学校のあいだに何本かの虫歯を作ってしまいます。
小学校では、虫歯があると治療してきなさいという警告書を渡されますね。

社会に出ると、このような煩わしい文書からは解放されます。
その代わりに自分で気をつけなければなりません。
男性の平均寿命は79歳、女性は86歳です。

食事を摂るうえでは、口腔環境のコントロールは不可欠です。
歯科で主に扱うのはう蝕症(虫歯)それに歯周病、歯の欠損です。
若いうちは虫歯の治療、中高年になると歯周病、それよりも高齢になってくると失った歯を補う補綴治療がメインになります。

高齢の方がよく仰るのですが、残された時間は少ないので、あと10年くらい持てばよい、だから、大した入れ歯は必要ない、とか、そんなに治療しなくってもよかろう。

・・・ハァ?

最初に記したようにたった数年で虫歯作っちゃうんですよ。
10年なんて、お気楽に考えて欲しくないですね。
10年間も異常を生じないように口腔環境をコントロールすることなんて不可能です。
保険診療で作成される金属冠の寿命は単独で修復された場合で6年、ブリッジは5年と言われてます。
こういうことを言うと、自分は、治療してからそれ以上経つけれどもなんともないと主張する方が出てきます。
が、だいたいピント外れです。

少々古いデーターになりますが、歯の神経を抜いちゃった場合、再治療が必要になるまでの平均年数は7年です。
痛みが生じていないだけで、病巣が巣食っていることは珍しくはありません。
細菌感染が生じていても炎症が起こっていなければ痛みはないのです。
ここを勘違いすると、治せる病気も治せなくなったりします。
残りの人生の中での食生活を営む機能を、どのようにコントロールしていくのか?を考えたときに、「痛くないから問題ない」は、必ずしも正解となるわけではありません。


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*7月20日に予定していたマジック教室は、都合により7月27日とさせていただきます。