テレビや雑誌なんかでインプラントの失敗例が取り上げられることがあります。
インプラントが失敗するというのは、どういう場合なのかを、ハッキリさせておきたいと思います。

まず、埋込み手術の失敗ですね。
これは、顎の骨を貫通してしまって、インプラントを埋め込むことができなくなった場合は失敗したと言えるでしょう。
但し、骨の厚みが考えていたよりも薄かったとか、骨密度に問題があったとか、
実際に手術してみなければわからない部分に関しては、必ずしも失敗とは言えません。
CTを撮影して、「これなら出来る」と判断した場合でも、骨密度等の関係で骨の切削状態が思わしくない場合もあります。
この場合だと、手術を中断することもありますが、失敗には当たりません。
あくまでも、術者のミスで削りすぎた場合、それも骨を貫通させるほど削った場合は失敗です。

この失敗が原因で起こる後遺症が下口唇の麻痺です。
下顎の骨の中には下口唇の感覚を支配する神経が通っていますので、それを傷つけたら麻痺が起こります。
また、同じ管に動脈が通ってますから、相当な動脈性出血が起こります。
これも失敗です。

とはいえ、これはフォローできる失敗です。
神経もひどく傷つけていなければビタミンB群の投与でフォローしていけば感覚もかなり戻ってきます。
取り返しがつかないのが死亡です。
舌を栄養している動脈を傷つけてしまうと口腔底が激しく腫れてきます。
そのために窒息してしまう場合があります。
こうなると取り返しがつきません。

次に、インプラントが骨にくっつかなかった場合です。
この場合には2週間もすれば、体の方がインプラントを排除しようとします。
これは術中に細菌感染してしまったら起こってきます。
手術中に、口を閉じたりされると、細菌感染が生じる場合もあります。
中には手術中にウガイさせろと要求する方もいますが、失敗の原因になりかねません。

埋め込んで三ヶ月程度経ってからパンチアウト等の2次手術を行います。
この時にインプラント体(フィクスチャ)の動揺がなければ、埋込みは成功です。
この状態で、数ヶ月から数年経過してインプラントが脱離してきても、それは失敗ではありません。
ハッキリ言って来院の頻度等、メンテナンスの問題が大きい場合が少なくはありません。

次に上部構造、即ち歯に相当する人工歯冠の失敗です。
噛み合わせの状態に問題があると、それが原因で頭痛等を引き起こす場合があります。
これは失敗の場合もありますが、経時的に噛み合わせが変化していきますので、調整が必要となる場合があります。
この時点で来院されないと、頭痛が起こったり顎の関節に問題が生じたりします。

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アンチエイジングマジック教室予定:
 10月19日、11月2日、11月16日の午後1時半からです。


11月3日は周南市市民館で催される文化を楽しむ会に参加します。
午後2時5分からの予定。

11月17日(日曜日):
県民公開講座「笑って健やか」
 午後1時から午後3時
 ホテルニュータナカ