眠れないほど歯が痛むと訴えて来院された患者さんのケースです。
何年か前に入れたインプラントが悪いと執拗に訴えます。

こちらの診断ではインプラントではなくて隣の歯に深い虫歯があって歯髄炎を起こしてます。
ところが、患者さんはインプラントが悪いと言い張ります。
これでは事実を話して治療することができません。
本当に問題を起こしている部位に手をつけると争いになります。
たとえ、それで症状が消失しても、因果関係は認めないでしょう。

仕方ないので、レーザーを照射して経過を見ることにしました。
そのうち激しい痛みはなくなってきます・・・
当たり前です、歯髄が壊死していけば痛みは軽減していきます。
その後、歯がしみるという訴えに変わりました。
・・・でしょうね、僅かに残った歯髄が反応しています。

そのうち、この歯が痛むと、こちらが診断した部位を指し示すようになりました。
この歯を治療すると、全く痛みを訴えなくなりました。
・・・当然でしょう、もともと、その歯に問題があるのであって、
他の部位、ましてやインプラントではありません。

そもそも、歯髄炎というのは、どの歯が痛むのか自分でも特定することができない場合が少なくありません。
この患者さんの場合、痛む場所が特定できないから、インプラントに責任を擦り付けたわけですが、
このような行為は、いかがなものでしょう?

さて、歯髄壊死をおこして根尖性歯根膜炎という状態になると、どの歯に痛みを感じるか特定できるようになります。
ここでやっと目標の歯を処置することができるようになったわけです。
専門医ですから、こういった変化を起こしてくることは予想ができます。

この方の場合、何が悪いのかハナっからわかっていたのですが、
無用な争いを避けるために黙っており、
このタイミングが来るのを待っていたわけですが、何ヶ月もかかるし、
そもそも悪化するのを待っていたわけですから、それもどんなもんかと思いますね。
患者さんも、その間、ずっと歯がしみてたりしたわけですから。

自分が苦痛に感じることを正直に言ってもらって、素直な気持ちで説明を聞いてもらえれば、
このようなアホなまねはしなくてすみます。

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やまぐち元気フェア
平成25年11月4日10:00〜15:00
場所:山口県総合保健会館 山口県健康づくりセンター
 (山口市吉敷下東三丁目1番1号)


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