メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/
石田歯科診療所です。

本日の配信テーマは、
  【保険導入の新技術
にてお送り致します。



この4月に、CAD/CAMハイブリッドレジンクラウンが保険導入されました。
といっても、この言葉では何のこっちゃ?ですね。
要するに、3Dプリンターで歯を作りましょうという技術です。
歯の材料として使われるのがハイブリッドレジン、これはガラスと樹脂の混合物で、歯の象牙質の硬さに近い硬さを有している材料です。
これまでは自費診療として扱われてきたものですが、小臼歯に限り保険の適応が認められました。

と、ここまで書くと何か良い事の様に聞こえると思いますが、このハイブリッドレジン、歯科医師の技量が問われる材料です。
多くの歯科医師は金属冠を使います。
金属冠は割れませんが、ハイブリッドクラウンは、樹脂ですので割れることがあります。
歯に冠を装着するには、歯を削ってしかるべき形態に整えなければなりません。
この形態が好ましくなければ、短期間で割れることがあります。
逆に、適正に行われていれば、金属冠よりも歯を保護する能力は高くなります。
平たく言い換えれば、技量のある歯医者さんが施せば、ハイブリッドレジンの方が歯は長持ちするということです。

小臼歯に対しても金属冠を用いる歯医者さんの方が多数派です。
そういった方達が保険に導入されたからといってハイブリッドレジンを使い始めると、割れてしまうケースが多発すると思われます。
注意が必要です。

次に、これを作成する技工所の問題です。
このハイブリッドレジン冠を作成する為の機械は数種類あるのですが、厚生労働省は、この中の1機種のみ認めています。
従って一千万円程度だったか?
新たな設備投資が必要になります。
ですので今、対応できるのは大手の技工所だけです。
こういった技工所は、技工物の品質がまばらだったりします。
私が真に信頼しているのは、少人数の技工所で、自費に係る技工物は全て、そこに任せています。
今後の動向がわからない為、彼のところでは設備投資は控えてます。

CAD/CAM装置1台で作れるのは1日に30個が限界です。
幾つもの歯科医院からの注文にどれほど対応できるのかわからない状態です。
更に、まだ材料の供給が安定して行われていない状態です。
その為、本来は4月から施術できるはずなのに、早くても5月にならないと皆様に供給できない状態です。
体制が十分に整わない状態でやれって言ってるわけですが・・・よくあるんですよね厚生労働省の見切り発車って。
それで現場は右往左往させられる、患者さん達には迷惑がかかる・・・。