メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/
石田歯科診療所です。

本日の配信テーマは、
   【口腔がん
についてお送り致します。



近年、口腔がんの発生率が増えて、乳がんとほぼ同じだけの発生率となったそうです。

虫歯をそのままにしていると、歯の鋭縁(虫歯で歯が溶かされて、尖ったところができます)で舌を傷つけます。
そうすると傷つけられた組織の細胞の中の遺伝子は傷を治せという命令を発し、細胞は傷の修復活動を始めます。
そして、傷が治ると修復活動を停止します。
普通なら、これで一件落着なのですが、虫歯があって、その為に歯に鋭縁ができているのだから、そちらの方をちゃんと治しておかないとまた舌を傷つけます。
で、遺伝子は・・・を繰り返すことになるのですが、そのうち情報伝達ミスが起こったりします。
傷はもう治っているのに、傷の修復活動を止めようとしません。
どうせ傷ができるなら、このまま活動しちゃえってところですか。

また、早く直そうと異常に速い速度で細胞分裂を行うようになります。
こういう変化を起こした細胞が癌細胞です。
そして舌にできた癌は舌癌と呼ばれます。
要するに、虫歯が原因で癌になる可能性はあるということです。
たかが虫歯から生命を脅かす癌が発生するのか、そんな馬鹿な、と思う方も少なくはないと想像しますが、
例えば胃潰瘍から癌に変わるというのも結局は同じメカニズムです。

癌の肉眼所見というと硬結を伴った潰瘍です。
胃癌とか肺癌では身体の表面には出てきませんが、口腔がんの場合、表面に現れます。
その為、顔が崩れていきます。
ですので、治っても社会復帰が難しいという一面があります。