メール会員の皆さん、こんにちは(^^)/
石田歯科診療所です。

本日は、
TVに騙されないで

についてお送り致します。


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 平成27年5月6日TVQで放送された
「あなたの常識は非常識”ソレダメ”連休明け絶対役立つマル秘新常識」
という番組でのこと。
歯の治療に時間がかかるのはなぜ?
という疑問に対して、歯を作るのは歯科技工士が手作業で、一週間くらいかかるから、
と説明がありました。
この部分に間違いはありません。
が、今はPCで歯の形状などの情報を読み取って40分くらいで歯を作れると紹介されてましたが、
この部分は嘘です。
まず、TVで紹介されていたように模型を作って、
それを読み込むのであれば模型作りにたっぷり1時間以上かかります。
模型を作らず患者さんの口の中の情報を直接読み取るのであれば、
1時間くらいで作ることができますが、それをやると寸法精度に問題がでます。
まぁ、40分というのは、材料をセレックというマシンに入れて加工する時間ですね。
本来は、その他にも時間が掛かります。

 そもそも、「歯」は内蔵です。血管も神経も通っています。
血管や神経の部分を歯髄と呼びます。
虫歯の治療の為とはいえ、歯を削ると、歯髄には反応性の炎症が起うこります。
皮膚に起こる炎症ならば赤くなったり膨れたりしますので分かり易いのですが、
エナメル質や象牙質という硬い組織に囲まれている歯髄では、
そのような変化を観察することは不可能です。
ですので、術後に痛みが生じたか否か等で判断するしかありません。
もし、歯髄が死んでしまったら、数ヵ月後から数年後に歯の色がドス黒く変化します。
本来であれば、この期間、観察して異常がなければ治ったと判断すべき事です。
ただ、痛みが出なければ、咀嚼に問題は生じないので、
痛みが無ければ、それはそれで問題無いという判断も行います。
ここは、正しく認識しましょう。

 次に、歯が原因で歯茎が腫れたようなとき、これは、顎の骨に化膿性炎症が生じています。
この時には、骨が細菌の毒素によって溶かされてます。
この場合には、溶けた骨が再生した事を確認できれば、治ったと判断されます。
これも、数ヶ月から数年経ってから判断できることです。
いや、その前に骨に生じた炎症を治めなくてはなりません。
例えば骨折したら骨が繋がるまで一ヶ月あくらいしゃかかりますね。
でも皮膚を切ったくらいなら一週間もあれば治ります。
骨というのはカルシウムをはじめとする無機質を多く含む硬組織ため、
治るまで時間がかかるのです。 

 それから、噛み合わせの問題。
歯を修復した時に「高い感じしませんか?」等と質問します。
噛合せの状態の狂いは、顎関節のトラブルの原因になります。
これも、修復後、ある程度の期間は様子を診ておかないと、
本当にその噛み合わせの状態で問題がないのかどうか、判断はできません。
「冠を被せたから今日で終りね」って事は、無いのです。

 こういった事が歯の治療に時間がかかる本当の理由です。


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