悪くなったらまた、すぐに治しに来るから

についてお送り致します。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 「悪くなったらすぐに治しに来る」と仰る患者さんは少なくありません。
が、この方達のこの言葉の真の意味は「痛くなったら、すぐに痛みをとってもらいに来る」です。

 さて、大阪府吹田にある国立研究開発法人国立循環器病研究センター で、「口腔内の虫歯菌」と「微小脳出血」との関連に関して報告されました。

 虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、血管壁のコラーゲンと結合することで血管の傷口に集まって血小板の止血作用を阻害する性質を持つcnm遺伝子保有株が、脳内で炎症を引き起こし脳出血の発症に関与することが明らかになりました。
ということは、脳卒中の新たな予防法の開発に寄与するものと考えられますね。
日常の口腔清掃や歯科治療によってミュータンス菌など口内細菌の量を減少させることや、医療の現場で病原性の高い細菌を選択的になくすような方法を確立することで、脳出血等の予防につながる可能性があるということです。
今後、脳血管・脳神経内科と歯科が連携し、「脳口関連」を明らかにすることで脳卒中などの重篤な疾患の予防法・治療法に寄与する可能性を念頭に置き、研究開発を継続していくそうです。

 近年の医学の進歩により、口腔や胃腸などの常在菌と全身の病気との関連が明らかにされつつあります。
例えば、胃内に住む細菌であるピロリ菌は、胃潰瘍や胃がんのみならず、血小板数が低下する血液疾患である特発性血小板減少性紫斑病と因果関係があることが判明し、新たな治療法へと結びついた例があります。
むし歯や歯周病などの歯の病気についても、口腔内の細菌は血管の中に進入し脳や心臓など全身の血管の病気を引き起こすのではないかと言われてきました。

 ってことはですね、痛いからどうこうではなくて、脳卒中に見舞われたくなかったら、虫歯や歯周病のキュアのことも意識しとけよってことです。
「痛くなったら治しに来る」ではなくて、「何とも無いけど、チェックしに来た」というくらいが良いってことです。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■7月分のイベント情報はこちら↓
http://www.kenko.pref.yamaguchi.lg.jp/ibento/index.html?ey=2016&em=07

(日程等の変更や、定員を満たしている場合がありますので、詳細は主催者にご確認ください。)