不正咬合:不可解な質問

についてお送り致します。

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 義歯の調子が悪いから調整して欲しいと訴えて来院される方もいらっしゃいます。
ただ、そうした方の中には、「新しい義歯を作って欲しいが、作れますか?」
と質問される方がいらっしゃいます。
・・・当たり前である、私の仕事を何だと思ってるんだ?
必要とあれば新しい義歯を作るに決まっているのである。

 では、何故、そんな質問をされるのでしょうか?
そういった方たちの義歯は、殆どのケースで、無残な事になってます。
人工歯は磨り減って咬合平面は狂っており、これで食事が摂れるのかなぁ〜?
絶対に誤嚥してるよな〜、と思うような状態の方ばかりです。
こういった状態では、根本的に咬合平面等を調整して新しい義歯を作らねばなりません。
かなり困難を伴います。

 更に、こういった患者さんの多くは他の歯科医院にかかっており、
新たに義歯を作ることなく何年も不具合な義歯を調整してつかってこられてます。
新たな義歯が欲しいと思っても、咬合を整える難しさ等の為に古い義歯をそのまま調整して使ってきたのでしょう。
だから、新しい義歯を作れるのかどうかが疑問に思えるのかもしれません。

 さて、こういった場合、患者さん達は単純に型を取って新しい義歯を作れば事は解決する
と思い込んでらっしゃる方が少なくはありません。
が、そうは行かないのです。先に記したように、咬合平面を整えるという極めて困難な処置が伴います。
その為に、必要とあれば歯を削ったり、抜いたり、様々な処置を行わねばなりません。
もし、それを拒否されるのであれば、まともな義歯は作れません。
でたらめな義歯なら作れます。

 ただ、こういった質問をされる方の口腔内の状態、義歯の状態って結構、壊滅的になってますね。
口先ばかりで行動が伴わない方が殆どです。

 最近では、咀嚼力は嚥下力を左右する、と言われ始めています。
まともに咀嚼が出来なければ、誤嚥のリスクが高まります。
誤嚥=誤嚥性肺炎ではありませんが、肺炎を起こすリスクが高いということです。
入れ歯の状態の良し悪しも肺炎のリスクを左右する要素のひとつですよ。
ちゃんと咀嚼が出来る義歯を使いましょう。


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