義歯がフレイルの原因か?

についてお送り致します。

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 まず、フレイルというのは、体の衰えの事です。
健康と機能障害の中間的な状態の事です。
早めに気づいて適切な対処をすれば健康に近付く事ができますが、病気じゃないから大丈夫、
等と思って対応が遅れると、身体の機能は衰えていくばかりです。

 介護を受けているような方で刻み食だのミキサー食だのを中心に食生活を送っていらっしゃる方に義歯を入れてあげると、
誤嚥がなくなったり、常食が食べれるようになったり、会話ができるようになったり、凄いのになるとベッド上の生活から解放されたなんてのもあります。
でも、この方々は義歯を使っていなかったわけではありません。
もともとは義歯を使っていたのに使わなくなってしまったというケースが珍しくはありません。
何故、使わなくなったのか?当たり前ですが、使っていた義歯が壊れたり合わなくなったからですね。
適合していない義歯だと、食事の際に痛みが出たり、うまく噛めなかったりします。

 さて、それならば、歯科医を受診して義歯を調整してもらったり、新たに適切な義歯を作ってもらえば良いのでは?
と誰もが思うのですが、何故か、歯科を受診しないんですね〜、そういう方がオーラルフレイルに陥って行きます。
もう歳だから、新しい入れ歯なんかいらないとか、慣れてるんだからこれを使えばいい、とかアホな理屈をこねたりします。
金が無いという方もいますが、日本では国民会保険制度のおかげで、他の先進国と比べると異常なほど安く医療が受けられます。
生活保護法なんてのもありますし、義歯くらいは誰でも使う事ができるように法整備は出来てます。

 昨今では「咀嚼が嚥下を支配する」と言われるようになって来てます。
ちゃんと咀嚼しないと嚥下力が低下するのです。
不適合な義歯だと嚥下力が低下し誤嚥を引き起こします。
その結果、誤嚥性肺炎を起こすことになります。

 義歯を新調してベッドから解放されたなんてケースは、もともとその方はベッド上の生活なんてするような状態ではなかったはずなのです。
ちゃんとした義歯を使っていればベッド上の生活にならずに済んでいた筈の方です。

 うまく食べられないのは咽頭期の問題ではなく口腔期の問題であることが多いのです。
我々は専門医ですので「どのような義歯が必要なのか?」を知ってます。
新しい義歯では痛くて噛めないという方もいますが、「噛む力が強くなった為、歯茎を強く圧迫するようになって痛みが出る」という場合もあります。
旧義歯では強く噛めなかったので痛みが出なかっただけ、という事です。
見た目は同じようなものでも、実態は全く異なるものです。


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