2001年宇宙の旅

についてお送り致します。

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 「2001年宇宙の旅」というとアーサー・C・クラークのSF小説でスタンリー・キューブリックによって映画化された作品ですね。
1968年の公開ですから、もう、半世紀前の映画です。

 今では、数ヶ月に渡って宇宙で過ごす事が可能となってますが、この映画が作製された頃には、恐らく想像だにされなかったであろう問題が、幾つか分ってます。

 我々の歯科領域に直接関連する事柄として、骨粗鬆症の問題と宇宙食の問題があります。

 まず、骨粗鬆症。宇宙空間では重力が無い為、骨密度が低下していく事が分りました。
その為、アストロノート達は、ビスフォスフォネートを服用します。
この薬は、破骨細胞の活性を低下させる事によって、骨代謝を抑制させる薬剤です。
そうやって骨密度を保ってます。

 ところが、この薬は他の部位の骨に比べて顎の骨には、大量に吸収されます。
その為、顎の骨に炎症があると、骨の壊死が起こってきます。
虫歯、歯周病、親知らず・・・顎の骨に慢性の炎症を引き起こす原因は幾つもあります。
ここで気をつけておかねばならないのは、慢性の炎症の場合には「痛み」が起こらないので、気が付きにくいということです。

 次は食事の形態です。この映画では、宇宙食はペースト状の食品として描かれてましたね。
この映画が作製された時代は、まだアポロ計画、宇宙食はチューブに入ってました。
なので、この映画でも、「いかにも」って感じになってます。
現代では、通常の食品であって、それを無重量中で食べる事ができるように工夫してあるものになってます。

 さて、ペースト状だと、今では介護食、あまり噛まなくても飲み込むことが出来る食品です。
これだと咀嚼・嚥下をつかさどる筋肉の力が衰えていきます。
重力の無い宇宙空間でこんなもんばっかし食ってたら、簡単にオーラルフレイル(口腔の虚弱状態)になっちゃいますね。
咀嚼力の衰えは嚥下力の衰えに直結する事が分ってます。


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