本日は、

【PCR検査の事】

についてお送り致します。

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　自分は歯科医師であり、本来であれば、このような内容の記事を書くことは専門外であり、そういう意味では適当ではないのかもしれません。
が、一部のメディアではPCR検査をもっと増やすべきだという無責任な主張を行っているようですので、書くべきだと判断しました。
無症状の感染者が多いのだから、無症状でも検査すべきだと言い張っているみたいです。
が、韓国のようなランダムなPCR検査は意味が無いだけではなく医療崩壊の原因にもなります。
素人判断は危険です。
検査結果の扱いに関する事項は、最近の医師国家試験の問題にもなっているそうで、若い医者なら皆知っていることだそうです。

PCR検査に限らず検査の精度には限界があります。
感度と特異度を考えねばならないのです。
感度は疾患に罹患している場合に陽性と出る割合、特異度は罹患していない場合に陰性と出る割合です。
新型コロナウイルスに対するPCR検査の場合、感度が30〜70%、特異度が99%くらいなのだそうです。
5月13日の時点で日本の感染確定者数が16103人、日本の人口が約1億2650万人です。
この数字をまともに使うと煩雑になるので、1億人で1万人の感染者がいると仮定しましょう。
これだと0.01％の割合で感染者が存在する計算になります。

　10万人の人をランダムに選び出した場合、1000人の感染者が存在する計算になります。
感度が70%として、陽性と出るのは700人で、陰性ではないのに陰性と出てしまう人（偽陰性の人）が300人いることになります。
ここで、一般の方々は、自分は陰性だから大丈夫と思い込むでしょう。
でも実際には感染源になるのです。

　次に、感染していない人は99000人ですが、特異度が99%なので、陰性と出るのは98010人で間違って陽性と出る人（擬陽性）が990人となります。
すると病院のベッドが990人分ほど無意味に占領されることになります。
この計算結果は感染者300人を野放しにして990人を無意味に隔離することを意味します。
病院に入院している患者さんは新型コロナウイルス感染者だけではありません。
その他の疾患や怪我などで緊急の手術が必要な方も入院されます。
無意味に医者の手をかけるような真似は避けるべきです。
医療の崩壊につながります。

　抗原検査が認可されましたが、精度がイマイチだそうです。
陽性の場合は感染しているとして扱えばよいのですが、陰性の場合には要注意です。
感染していないのではなくて感染しているかどうかわからないと考えねばなりません。
抗原検査は詳しい検査の必要性を判断する材料になります。
そういった検査や症状の有無でまず、必要かどうかをチェックすべきです。
症状があって更にPCR検査で確定診断していくというのが、まともな考え方です。
つまりはターゲットを絞って検査することで検査の精度を上げ、適切な医療を提供できるようにしましょうという事です。
陽性と判定された場合は、適切な処置を行えばよいのです。
問題なのは陰性と判定された側にあるのです。

　テレビでこのような検査の特性を説明しているのは見たことがありません。
テレビではPCR検査の特性をろくに調べもせず、何も知らないコメンテーターが、いたずらに検査を増やせと言っているようにしか見えません。
何故、PCR検査が少ないのか、こういった理由をはっきりと説明するのがメディアの役割だし、それが医療の崩壊を防ぐ手段です。
医師は「PCR検査を充実させるべきだ」と主張しています。
「PCR検査を充実させる」事と「やみくもに増やす」事とは全く次元が異なる話です。
検査を受けるべき人を適正に選び出して、きちっと検査し、必要な処置をとれるようにするということが「充実させる」という事です。

　もう一つ、「PCR検査で陰性だから必ずしも大丈夫という事ではない」、
となると感染者が出た介護施設などに対して、職員や入居者全員が検査して陰性であっても、信用できないといった事でしょうか。
嫌がらせ等を行う輩がいるようです。
こういたことでの風評被害はウイルス感染よりも深刻な問題です。


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神奈川県医師会のサイトにもう少し詳しく記載されています。
https://kanagawa-med.or.jp/corona_news/pcr%e6%a4%9c%e6%9f%bb%e3%81%ae%e7%89%b9%e6%80%a7%e3%81%a8%e9%99%90%e7%95%8c/?fbclid=IwAR1mGm-QRaWBKwCqR755z3PZ6Nys5GB-nxTwxhhHzAHPsAARP1OK8ui4-j0

かの有名な山中伸弥教授のサイトです
https://www.covid19-yamanaka.com/


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